マルクの眼

千字一夜

真面目な話

 

政治の話をする。

同性婚で社会が変わってしまうらしい。「変わってしまう」という言い振りに、逆に「今の社会を変えたい!」みたいな志ってないんすねー、と思った。

民心は岸田宰相から離れ、もはや内閣に何か大きなことを実行する力はなく…。そこで「極めて慎重な検討」即ち「"何もしない"をする」ことで、保守層からの支持率をちょこっと上げにきた。プーさん戦術というわけだ。

考えてみれば、岸田氏は社会を変化させないためにお金を費やしている。ウクライナ支援も台湾有事への備えも現状変更を嫌ってのことだし、気候変動対策もそう。コロナ対策や原発再稼働を見ても、「今の社会を維持するためですよ〜」「元の社会に戻すためですよ〜」と言われれば金を出す人、という印象を受ける。

それを保守だと言えばそうなのかもしれないし、ある意味で一貫している。が、努力すれば今の社会を永遠に維持できると信じているのならば、そしてそれが好ましい/望ましいと思っているのならば、大した夢想家だ。換言すれば愚か者である。

たま〜に「急激に変化する時代に対応すべく」の枕詞でデジタル化がどうとか、女性活躍がどうとか言うが、「(変化しないならそれに越したことはないんだけど)」という後ろ向きな本音を行間に滲ませて仰るので、そんな言葉で誰が乗り気に/前向きになれるのか、甚だ疑問だ。何も起きなきゃいいんだけど〜みたいな感じは、防衛費だけにしてほしい。戦争は起きなきゃいいに決まっている。

岸田殿というか自民党が唯一、何か変えようとしているのは憲法くらい?先の発言と勘案するに、改憲は社会を変えることにあらずと見えり。

さて話を戻す。岸田氏の同性婚関係の発言はなかなか注目されたらしく、Yahoo!ニュースではコメントがやたら多かった。で、やはり目に付くのが「少子化が」という意見。ほら、ひろゆき言ってやれよ。ソースは?それってあなたの(ry←これなつかしい

同性愛者から提言したい。社会全体の雰囲気が〜とか漠然としたことを言うなら、国民にアンケートを採ればいいじゃないか、マイナンバーを使って。

子どものいる既婚者には、「もしあなたが同性婚を認める社会に生まれていたら、今と同じように異性婚を選択したと思いますか?」「今と同じように子どもを持ったと思いますか?」

その他、子どものいない20・30才代を対象に、「この先、子どもを生みたいと思いますか?」「思わないと答えた人に伺います。同性婚を認める社会でなら子どもを生みたいと思いますか?」

これで、同性婚がどれだけ出生率に正負の影響を与えるのか、数値として見よう。

あーあ。いつの間にか、社会を変える力を得てしまったアタシたちって…ウテナなのかもしれない──。

 

 

おわり