マルクの眼

千字一夜

元カレ レスト・イン・ピース

高校のクラス会に参加した。

変わんないね〜とか痩せたね〜など、的外れな女子からの評価を受けたり、ソリの合わなかった同級生とソリの合わなかったイジリをして遊んだ。会いたくなければ会わなくていいし、利害関係がなくて気楽なもんだ。社会人になって割り切り感が強くなった。

 

好きだったノンケ、付き合ってたバイなど、少ない恋愛遍歴もとい偏愛歴をほじくり返す顔もあった。元カレは別れてからこの日まで4年ほど音信不通。クラス会で元カレにばったり遭遇☆思わず盛り上がって…みたいな雰囲気はない。「言うなよ」「バレるなよ」という目での牽制を受ける。別の人と話してる時も横顔に痛いほど視線感じてたわ。

暫くすると私の態度に安心したのか、ビール瓶片手に近況報告しあった。元カレの見た目は相変わらず黒髪ヤンキー風なのに、中身は相応におじさん臭くなっていた。

 一時は文字通り隅から隅まで知り合った仲も、時間とともに離れて行ったんだね。あの頃は慣れない同士でよく頑張ったね。感傷。

話の流れからポケモンGOを見せ合って、元カレが女性キャラを使っているのに気づいてドン引きした。バイのくせに一時期女性になりたがってたので、もしかして今でも…と思い「お前なんで女キャラ使ってんの?」と尋ねたら「やっぱ女の尻を追っかけたいなって☆」だそうだ。
そういうことを言って人の反応をチラチラ見てくるところがムカつくんじゃ〜〜!!

「オレは卒業後に連絡とってるのはめのくらいだよ〜」とか周囲に親密アピールしながら顔色を窺ってくるのもムカつくし会話中にやたらご機嫌をとってくるのもムカつくし。今まで疎遠にしてただろ。

こういう相手の反応を見るためのちょっとした試みが好きな人だったのを思い出した。逐一反応するのにも疲れる。うんざりしながら相手をすると身内感が出てしまう。悪循環。

結局周囲に乗せられるまま、元カレ含めた数人の「なかよし」で飲む約束をするはめになった。感傷がぶっ飛んだ。

 

 他の友達と旧交を温められたのは楽しくて、帰って21時すぎに寝た。

翌朝スマホを見ると22時ごろ前カレから着信履歴が。付き合ってた人たちからの接触にゾワつきつつ、何の用だったのか聞けば「イライラしてたから声が聞きたくなった」と。なんなのモテキじゃん私。デスコだ。まぁそこからどうこうなく、ダラダラとLINEなどしている。

 

終わった恋愛は完結した物語として、登場人物はどこかで幸せに生きてくれるのが最も良い。後日談は蛇足。