マルクの眼

千字一夜

Ora Orade Shitori egumo

夏休みを挟んだだけでクラスの友人と疎遠になった私を叱ってくれた人は今でも親友だけど、疎遠になったクラスの人はもう顔も薄ぼんやりとしている。ニッコリ笑うだけじゃ人間関係が解決しない人生だ。 

星野源のおこぼれに預かったか、薄顔の私も少しモテるようになった、と思う。褒められたり好かれたりする事の少ない生涯を送ってきましたので戸惑いがある。

見られることを意識して無頓着だった色々なことを少しずつ改める一年にしようと感じた。

昔、美輪明宏が「ありのままの自分を受け入れて欲しいと言うのは畑から引っこ抜いてきた泥つきの大根を『食え!』と相手に突き出すのと同じ。綺麗に洗って調理してから『どうぞお召し上がりください』と言うのが当たり前。」と言った。自分は悪いところを治さないのに相手に受け入れる心を求める傲慢さは改めるべき。

なんにせよ向上心。現状に満足して歩みも思考も止めてしまう努力の放棄は罪。

宮沢賢治の「永訣の朝」が私の夜に沁みた。