マルクの眼

千字一夜

ネオ・ネット・ネオテニー

14才の男の子がエッチな画像をTwitterに投稿していて大変ショックだった。

精神が未熟なまま性的に成熟してしまうのが人間の自然とは言え、動物的な本来でいえば未熟なオスに性交のチャンスはない。なのにSNSの進歩は未熟な人とそれを手篭めにしたい人を簡単に繋いでしまう。私が子どもの頃、斯様の事がなかったかと言われればそうでもないんだけど、精神未成熟のまま成長できない人を見かけることが増えた。

"性的に需要がある"ことは人間としての一つの完成形と言えるわけで、それが向上心を削ぎ、内面的成長を阻害するのではないかと思う。私の出た学区ではイケメンほど低学歴・低所得で早めに結婚を済ませて子どもを作っている。それが不幸だということではないのだけれど、果たして彼らが選択して今の未来を作ったのか甚だ疑問だ。しかし結果的に早熟であっても、得たものが現実に形となって彼らの人生を彩るならばそれは完成に向かっていくだろう。SNSでちやほやされる少年らとは、そこが根本的に違う。

悲しいことに犯罪的な若さすらネット上では持て囃されるかもしれないが、それは虚構で、まやかしで、現実ではない。いくらフォロワーを増やしても、それは自分の力ではなく、若さという希少価値でしかない。電柱の蛍光灯が群がる蛾の数を誇りますか?無料で見られるエロ動画が自分の再生回数を誇りますか?辛く虚しいことだ。

同性愛に悩んで自殺するくらいなら、SNS上で自分に需要があること知り生きていて欲しいとは思う。だけど未熟な若者を誑かし唆し性的搾取を行おうとする輩はいるわけで、その空虚な"人気"が彼らの現実にどんな悪影響を及ぼして、どんな破滅に向かわせるのか想像もできない。いざとなれば体を売ればいいとか、そんな場当たり的な思考を養ってほしくない。精神的に向上心のない者はばかだ。小説の登場人物だが、私はこの言葉を重く受け止めて死んだKのことが忘れられない。

若くしてネットに染まって、悪い大人を弄ぶくらい強かに生きている子もいるけれど、そのツケが学生生活の馴染めなさや社会人として身の振り方下手として表出することもある。

なんにせよ大人が悪い!あまりにもインモラルだ。やり場のない母性と保護欲が暴発して有害図書認定したりPTA役員を務めそうな私の目に中学生のエロ垢を触れさせないでくれ。私は心穏やかに生きたい。