マルクの眼

千字一夜

天地人


同名の小説原作の映画がありましたね、岡田さん主演で。まったく関係ありません。

私は天・地・人という言葉が好き。その世界観が好き。「天」は神様仏様の世界。「地」は物理法則や科学の支配する身の回りの世界。「人」は人間の内面、精神世界と理解している。

神霊、物質、精神の三要素だけで世界を理解するシンプルさに惹かれる。
三世界は相互に干渉しあうものの、線引きが明確なので過干渉にならず、人間は精神的な安定を得られるのではないか。

もう一つ好きな言葉に、「人事を尽くして天命を待つ」というのがある。
人間はできる範囲で最大の努力を行い、その後は天に任せるというもの。「なるようにしかならない」という言葉は放棄や諦めのニュアンスがあるけど、最善を尽くして初めて「なるようになる」と言っていいのではないか、と私は思う。私のツボを押さえている。

で、その三つの世界はあくまで人間の主観的な理解なので、すべては精神に帰結するんだろうけど、それでもいい。

「心だに誠の道にかなひなば
   祈らずとても神や守らむ」
「天知る、地知る、我知る」
「神の目」という存在を設けることで、間接的に自分の行動を自分で縛る、より強い自律。私は好きだね。大切にしたい。

突き詰めて、自分に心暗いところを無くせば他人に優しくなれるのだろうか?
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